前戦のSUGOラウンドから2週間のインターバルで開催された全日本ロードレース選手権第5戦筑波。今回は、2レース制となっており、2戦分のポイントが与えられるだけに、タイトル争いを繰り広げる小山はもちろん、シリーズ全体を考え重要なラウンドと言える。また筑波サーキットは、首都圏に近いこともあり、日本郵便の応援団も駆けつけてくれるだけに、いいレースを見せたいところだ。
前週に参加者向けの特別スポーツ走行があり、小山と亀井はテスト走行を敢行したが、SUGOラウンド決勝で転倒し、右手をケガしていた國峰は、参加を見合わせていた。小山も実は、ST600マシンで筑波を走るのは、今回が初めて。ライン取りやブレーキングポイントの確認から始め、マシンセットを進めていった。亀井は、小山に引っ張ってもらい、単独でもタイムが出るようになってきていたが転倒もあり調子を崩してしまう。
梅雨明け宣言が出されたレースウイーク初日は、厳しい暑さに見舞われた。路面温度も50度以上に上がり、マシンコントロールが難しいコンディションとなって行く。この日の1本目、小山は、ピットに入るサインを出した直後の1コーナーで転倒。不可解な部分もあったが、原因を探り、しっかり対策を整えて土曜日の公式予選、そしてレース1に備えて行く。一方、國峰は、ケガをしてから初めてマシンを走らせるが激痛が襲い、思うようにライディングができない状態だったが、今回は2レース制だけに、1ポイントでも多く獲得するためにも、一つでも上でゴールしたいところだ。
公式予選は、ベストタイムでレース1、セカンドタイムでレース2のグリッドが決まる。小山は、レース1では、2番手を確保するが、レース2では5番手。國峰は、両レースとも8番手につけ上位を伺う。亀井は、なかなかリズムに乗れず29番手となっていた。
レース1で小山はトップ争いを繰り広げ2位フィニッシュ。國峰は、オープニングラップで6番手につけると、2周目に亀井選手をかわし5番手に浮上。6周目に奥田選手にかわされるが、12周目に奥田選手が転倒し、再び5番手に浮上。レース終盤の亀井選手とのバトルに打ち勝ち5位でゴールした。
日曜日も厳しい暑さの中でのレース2となった。セカンドロウスタートの小山だったが、序盤で3番手に上がると、前を行く選手をかわすのにタイヤを使ってしまう。7周目に2番手に上がり、トップを追うが、第1ヘアピンでハイサイドに遭い、あわや転倒という場面もあった。ここで2位キープに切り換え、そのままゴール。その後方では、國峰が3位でゴールし、日本郵便 Honda Dreamの2人が表彰台に上がった。亀井は、レース1ではアクシデントに巻き込まれ転倒してしまうが、レース2では、最後まで走り切り19位でゴールしている。
小山知良コメント
「筑波をST600で走るのは、実は初めてでしたが、特別スポーツ走行からマシンを仕上げて行くことができました。レース1は、筑波を走り込んでいる長尾選手が速かったのでチャンピオンシップを考え2位をキープしました。レース2でもトップを追っていましたが、途中ハイサイドで転倒しそうになったので、リスクを避けながらもプレッシャーをかけることを選びました。結果的に、3ポイントのビハインドなので最低限の仕事はできたと思います」
國峰啄磨コメント
「SUGOの決勝で転倒し手をケガしてしまったので、前週の特別スポーツ走行は、参加できませんでしたし、レースウイーク初日も、ほとんど走ることができませんでした。その中で、予選を走り、レース1では、終盤に痛みが出て来ましたが、5位になることができました。その経験を生かしてレース2では、もっといい走りができ表彰台に上がることができました。チームを始め応援してくださった皆さんのおかげです。ありがとうございました」
亀井駿コメント
「前週の特別スポーツ走行では、小山選手にいろいろご指導いただき、タイムも出ていたのですが、レースウイークに入ってから転倒があり、精神面でもいい状態ではなかったと思います。多くの方が、アドバイスをくださり、とてもありがたい環境で走らせていただいていることを無駄にしないためにも、自信を持って走れるように次戦では、トライして行きます」
手島雄介代表コメント
「筑波は、首都圏に一番近いサーキットですし、日本郵便さんの応援団も駆けつけてくださると言うことでチームとしても気合いが入っていました。その中で、小山の安定したレース運び、國峰は、SUGOでのケガが癒えない中、レース2では表彰台に上がってくれたので、いいレースだったと思います。亀井に関しては、転倒もあり、いい流れに乗れなかったところもありますが、このチームでシーズン前半戦を終えて課題が見えて来たので、いい部分は、さらに伸ばし、よくない部分は改善して次戦に臨みたいと思っています」
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